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イベント終了

展覧会『Ground Zero』

ジャンル
美術
カテゴリー
展覧会
開催日時
2023年11月11日(土)~2023年12月10日(日)
会場
京都芸術センター ギャラリー北・南
料金・その他
無料
事業区分
主催事業
展覧会『Ground Zero』
den Sungyoung Kim 《Footnotes - Ground Zero》ミクストメディア、2018
展覧会『Ground Zero』
Celeste Vivian Ly《-321°F》ミクストメディア、2022
展覧会『Ground Zero』
Maya Erin Masuda《Pour Your Body Out》ミクストメディア、2023
展覧会『Ground Zero』
成定 由香沙《香港逆移植〜映画的手法による香港集団的記憶の保存》ミクストメディア、2022
展覧会『Ground Zero』
山縣 瑠衣《地表の掻き傷》ミクストメディア、2021

Co-program2023カテゴリーB採択企画
テクノロジーを伴う生政治と、その人間・非人間を超える共同体の痛みの引き受けを主題とした展覧会

出展|Iden Sungyoung Kim、Celeste Viv Ly、Maya Erin Masuda、成定由香沙、山縣瑠衣

主催|Maya Erin Masuda、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)

入場無料・予約不要

日時
2023年11月11日 (土) – 2023年12月10日 (日)
10:00-20:00
会場
京都芸術センター ギャラリー北・南
展覧会ステイトメント
 Ground Zero – グラウンド・ゼロとは、もともと核爆弾やロケットの爆発現場を表す言葉です。マンハッタン計画以降用いられてきたこの言葉は、現代において、輝かしい未来の喪失を表象すると共に、その代償によってもたらされた「何もない場所」という複数性を持った言葉として流用されています。
 2022年より始まったロシアによるウクライナへの侵攻は、大量の人的被害を出すだけでなく、 森や土地、動物に対する被害など甚大な影響を残しました。失われたものは身体や物質だけではありません。侵略国に対する国際的な拒絶は結果的に、特定の土地に纏わる文化や歴史を、人々の記憶やサイバースペースといった複雑な関係性の網目からも消滅させることとなります。ここにおいて、 地球を含めた人間を超えた種に対して我々人間がもたらした「ジオ・トラウマ」は、地形という物理世界から拡大し、文化や記憶といった無形の領域においても巨大なヴォイドを形作る事態を招きつつあるのです。
 本展は、こうして2022年以降近郊に作り出された物質的/非物質的なヴォイド・スペースを、現代における新たなグラウンド・ゼロと捉え、その痛みの記憶の分有を試みるものです。5名のアーティストは、滞在制作、フィールドワークと、コレクティブとしての度重なるディスカッションを含んだリサーチベースの実践を通して、人工衛星による監視や核政治など、現在侵略に用いられているテクノロジーを用いた生政治を手法的に考察し、それを福島第一原発事故やアジアにおける政治情勢など、それぞれの個人の存在に深く纏わる事象の延長として捉えることで、局所的なジオ・トラウマを地理的/文脈的に脱中心化することを試みます。個々のアーティストが、物質的な距離の想像力を超えて自分の内部に痛みを引き受け、それと「共に」生きるための術を学びなおす(Un-Learn)ことは、国境を跨ぐことのない当事者/非当事者の囲い込み、また記号化による小さな無数の痛みの忘却に揺さぶりをかけるでしょう。

Maya Erin Masuda(本展キュレーター)

関連イベント
※席数に限りがあります、会場でご覧いただけない場合がありますのでご了承ください。
※各トークイベントは京都芸術センターの公式YouTubeチャンネルよりライブ配信予定です。 ⇒京都芸術センター公式YouTubeチャンネル

■オープニング – レクチャーパフォーマンス
日本、ドイツそして韓国という3国のルーツをもつ出展作家のIden Sungyoung Kimによる、第二次世界大戦後の核研究とその植民地支配との関連についてのレクチャー・パフォーマンスです。

実 演|Iden Sungyoung Kim
日 時|11月11日(土)18:00-18:20
会 場|京都芸術センター ギャラリー南(南館1階)
料 金|参加無料(事前申込不要、先着順)
定 員|15名

■オープニング – アーティスト・トーク
ゲストにオルタナティブカルチャー、アクティビズムを専門とするインディペンデント・キュレーターの居原田遥氏を招き、公共と私を跨ぐアクティビズムとしての芸術実践とその両義性について、出展作家5名によるオープニングトークを開催します。 

登 壇|Iden Sungyoung Kim、Celeste Viv Ly、Maya Erin Masuda、成定由香沙、山縣瑠衣(出展作家)
ゲスト|居原田遥(インディペンデントキュレーター)
進 行|平居香子(京都芸術センター アートコーディネーター)
日 時|11月11日(土)18:30-20:00
会 場|京都芸術センター ミーティングルーム2(南館3階)
料 金|参加無料(事前申込不要、先着順)
定 員|25名 ※オンライン配信あり

■トークイベント①
『戦争と建築』著者である五十嵐太郎氏を迎え、昨今のウクライナ情勢と、今日における調査型 (Investigative)芸術実践をテーマに議論を行います。

登 壇|Iden Sungyoung Kim、Celeste Viv Ly、Maya Erin Masuda、成定由香沙、山縣瑠衣(出展作家)
ゲスト|五十嵐太郎(東北大学大学院教授、建築史家・建築批評家)
日 時|11月18日(土) 18:00-20:00
会 場|京都芸術センター 大広間(西館2階)
料 金|参加無料(事前申込不要、先着順)
定 員|50名 ※オンライン配信あり

■トークイベント②
サーペンタイン・ジェネラル・エコロジー(Serpentine General Ecology)を率いるLucia Pietroiusti氏を迎え、「ジオ・トラウマ (エコロジカルな共同体のトラウマ)」を主題に議論します。

登 壇|Iden Sungyoung Kim、Celeste Viv Ly、Maya Erin Masuda、成定由香沙、山縣瑠衣(出展作家)
ゲスト|Lucia Pietroiusti(ルチア・ピエトロイウスティ、 キュレーター)
日 時|11月24日(金)18:00 – 20:00
会 場|京都芸術センター 大広間(西館2階)
料 金|参加無料(事前申込不要、先着順)
定 員|50名 ※オンライン配信あり

■トークイベント③
フォレンジック・アーキテクチャー(Forensic Architecture)よりSusan Schuppli氏を迎え、戦争や惨禍における「マテリアル・エビデンス」とそれを囲む芸術実践について議論します。

登 壇|Iden Sungyoung Kim、Celeste Viv Ly、Maya Erin Masuda、成定由香沙、山縣瑠衣(出展作家)
ゲスト|Susan Schuppli(スーザン・シュプリ、アーティスト・リサーチャー)
日 時|12月3日(日) 18:00 – 20:00
会 場|京都芸術センター 大広間(西館2階)
料 金|参加無料(事前申込不要、先着順)
定 員|50名 ※オンライン配信あり

■滞在制作
作家らは滞在制作を元に、Ground Zeroという5名のリサーチコレクティブとして常に議論を進め、有機的に作品を変化させ、随時作品のアップデートを行っています。制作室2では、コレクティブとしてのリサーチ過程をご覧いただけます。

日 時|11月12日(日)〜12月10日(日) ※一部不在日あり
会 場|京都芸術センター 制作室2(北館1階)

アクセス
京都芸術センター
〒604-8156 京都府京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
・地下鉄烏丸線「四条駅」、阪急京都線「烏丸駅」22・24 番出口より徒歩5分
・京都市バス「四条烏丸駅」下車、徒歩5分(3、5、201、203、207 系統など)
※駐車場はございません、お車でのご来場はご遠慮ください。

Googleマップ

イーデン・ソンヨン・キム / Iden Sungyoung Kim

アーティスト、研究者、作家であり、歴史的事件を通して技術開発における政治的な二極化を調査している。主な展覧会に「第17回 ヴェネチア・ビエンナーレ 国際建築展『Liquid Cosmos』」(リトアニア館, ヴェネチア/イタリア, 2021)、「Begin Again」(韓国文化センター, ロンドン/イギリス)、「Laufende Uhren ohne Stundenzeiger」(シュレスヴィヒ・ホルシュタイン文化会館, シュウェリーン/ドイツ, 2022)、Cité internationale des arts レジデンシー(パリ /フランス, 2024)など。

作家ウェブサイト

ビビアン・セレステ・リー / Celeste Viv Ly

ビビアン・セレステ・リー / Celeste Viv Ly
ビビアン・セレステ・リーは、ロンドン/ニューヨークを拠点に、バイオテクノロジーのプロセス、未来性、思弁的な神話科学を探求するアーティスト、研究者、作家である。ゴールドスミス・カレッジとロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業後、サマーセット・ハウス・スタジオのクリエイティブ・テクノロジーズ・フェローシップのショートリスト。主な個展に「in sarcophago vivum aeri」(セント・ジェームス, ロンドン/イギリス)、展覧会に「Tate Lates: Beyond Surface 」(テート・モダン, ロンドン/イギリス, 2023)など。

作家ウェブサイト

マヤ・エリン・マスダ / Maya Erin Masuda

マヤ・エリン・マスダ / Maya Erin Masuda
キュレーター、研究者、アーティスト。ポスト人類世におけるテクノロジカルなトラウマを、情動的、触覚的、周縁化された視点から調査し、再構築している。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業後、現在ベルリン芸術大学にて核の生政治(Nuclear Biopolitics)を研究。 主な個展に「Hands and Whispers」(YPC SPACE, ソウル/韓国, 2023)、大和日英基金(ロンドン/イギリス, 2024) 、グループ展に「Interassemblages- Nodal Relay」(ACUD Galerie, ベルリン/ドイツ, 2022)など。

作家ウェブサイト

成定由香沙 / Yukasa Narisada

成定由香沙 / Yukasa Narisada
2021年より東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻在籍。建築とそのイメージを専門とし、建築・建築映像・建築写真を表現の媒体とする。『香港逆移植』(2021) でSendai Design Leagueの日本二を受賞。主な展示に「HOUSEPLAYING No.01 “VIDEO”」(FLASH, 神奈川, 2022)、「My Bodiliy Timidity」(The 5th Floor, 東京, 2022)などがある。

作家ウェブサイト

山縣瑠衣 / Rui Yamagata

山縣瑠衣 / Rui Yamagata
1997年生まれ。衛星画像やデジタル地図における表現や視覚を扱い主に風景画や映像を制作。2022年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。クマ財団第五期生。主な展示に、個展「Measure your pixel」(TAV GALLERY, 東京, 2023)、「遊歩する分人」(MA2 Gallery, 東京, 2022)、「界面体」(CON_, 東京, 2022)、「地表の掻き傷」(東京藝術大学大学院 修了制作展, 東京, 2022 ) など。

作家ウェブサイト

Co-programカテゴリーB(共同開催)

Co-programカテゴリーB(共同開催)は、公募により採択された、自身の活動や実績を積み重ねてきたアーティストやキュレーターと、京都芸術センターが共同で主催する展覧会事業です。これまで注目のアーティストの紹介や新たな表現の展開を試みる企画を実施してきました。

過去の採択企画(一部)
2022年 井上亜美『The Garden』
     林修平企画『DAZZLER』
2021年 原田裕規『Unreal Ecology』
     桐月沙樹・むらたちひろ 『時を植えて between things, phenomena and acts』
2020年 黒田大スケ『未然のライシテ、どげざの目線』

Co-program事業紹介ページはこちら

主催

Maya Erin Masuda、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)

問合せ先

京都芸術センター
TEL:075-213-1000
FAX:075-213-1004
E-mai:info@kac.or.jp

宣伝美術

中村陽道

助成

公益財団法人 クマ財団

協力

東京藝術大学