SCROLL

オンライン・レジデンスプログラム “WE AGE” 参加者発表

投稿日
2022年2月1日
更新日
2022年2月1日
カテゴリ
お知らせ

京都芸術センターでは、異なる文化に触れることで新しい芸術表現を生み出そうとする新進のアーティストや芸術分野の研究者の滞在創作活動を支援するアーティスト・イン・レジデンスプログラム(AIR)を実施し、新進、若手のアーティストや研究者の京都での滞在制作を支援してきました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大により、渡航を前提としたAIRプログラムの実施が難しい状況が続いています。そんな中でも、京都芸術センターは新しい出会いを求め、オンライン・レジデンスプログラム “WE AGE”を実施します。
「WE AGE」は2020年の京都芸術センター開設20周年のテーマでもありました。京都芸術センター設立20周年記念事業では、65歳以上に限定し「We Age」のテーマの基で作品公募を実施し、意欲的でエネルギー溢れる展覧会や公演を実施しました。公募対象を世界に広げた本プログラムでは、通常のアーティスト・イン・レジデンスで求められる長時間の移動をせず、京都とアーティストの居住地をオンラインで繋ぎ、対話やリモートでのリサーチを通して作品を制作したいと考える65歳以上のアーティストを募集しました。12件の応募の中から審査を経て4組の招聘アーティストを決定しましたのでお知らせします。

【招聘アーティスト(国名は居住地)】
Nina Bendukidze:チェコ共和国
Sha Sha Higby:アメリカ合衆国
Lyubov Kulik:ロシア連邦
Paul Alan Barker:英国

2022年3月には各アーティストが成果発表を行います。詳細は決まりしだいご案内します。


Nina Bendukidze
ジョージア、トビリシ生まれ。
1977年 トビリシの国立医学研究所卒業
その後、ジョージアで医師として働いたあとチェコ共和国と英国で勤務。

学校では美術コースに通いさまざまなコンクールに参加したが、その後、芸術アカデミーで学んだアーティストのジェマル・ググナバと結婚したことで芸術は彼女の人生にとって不可欠で非常に重要な部分となった。20年以上にわたってジェマルのマネジメントを務めていたが、63歳で引退すると、自ら筆を取ることを決意しジェマルが彼女の師となった。


Sha Sha Higby
1952年 アメリカ合衆国、ミシガン州デトロイト生まれ
1974年スキッドモア大学卒業

大学卒業後、インドネシアのアカデミー・オブ・ミュージック&ダンスで5年間ダンスと影絵を、東京と京都では漆芸を学ぶ。Sha Shaの彫刻は、アジアやその他の地域での経験からインスピレーションを得て複雑な構造を持ち、彼女の生きた身体を原動力として動くように作られている。何年もかけて丹念に作られた彫刻の衣装は、紙、木、ガラス、エナメル、アジアの漆、金箔などを用いる。
また、観客を目に見えない儚い体験に引き込む、ビジュアルアートと人形劇やダンスを組み合わせるパフォーマンスも行う。主な上演国はブルガリア、スイス、イギリス、オランダ、アメリカ、日本、韓国、台湾、インドネシア、香港、シンガポールなど。
Instagram https://www.instagram.com/shashahigby/


Lyubov Kulik
1945年、ロシア、グロズヌイ市生まれ。
チェチェノ・イングシェチア国立大学歴史学科卒業。地元の歴史博物館で26年間、宗教・無神論部門長として勤務。1994年にロストフ・オン・ドンに移住し、地元の美術品ショールームでディスプレイの専門家として働く。2018年にllil.spaceギャラリーにて初の個展「Endless Spring」を開催。

リュボフは、装飾品から前衛美術まで、美術史への愛着と個人的な洞察からモチーフを得ている。彼女の作品は、キュレーターのDieter Roelstraeteと共同で考案した「The Art of Insighters(洞察者の芸術)」と呼ぶにふさわしい。リュボフは、スケッチを一切必要としないコラージュの手法で作品を制作し、各作業段階の最後にそのプロセスを中断する。この手法は、オーナメント制作の厳密なアルゴリズムと完全に矛盾している。作家はオーナメントを地域的なランドマークとして扱い、オーナメントによって表現される国家のアイデンティティを融合させるために、異なる国のオーナメントを一つのキャンバスに組み合わせている。リュボフの作品は、地理的だけではなく、時間的な旅も含んでおり、近代と前近代のパズルと見なすことができる。リュボフの主なメディアは、手刺繍、壁面彫刻、コラージュ刺繍、ウッドペインティングである。ロシアの作家ウラジーミル・ソローキンが述べるように、リュボフも、これらのメディアを使った作業は、連続的で明らかになるサイケデリックな体験のように感じられる。
https://www.instagram.com/p/BwdE_BOHaSg/?utm_source=ig_web_copy_link


Paul Alan Barker
作曲家。コンサートのほか、演劇、ミュージカル、オペラ、コンテンポラリーダンス、デジタルメディア等に作品を提供する。また、ピアニスト、指揮者、舞台演出や作家としても活躍している。バーカーの作品は国際的なフェスティバル等で発表され、また主要な賞を獲得している。《QIQI》は5人の俳優とダンサー、コーラス、オーケストラで構成される45分の作品で、メキシコで2020年に委嘱、初演され巡回ツアーが予定されている。声は常に彼の作品中で重要な役割を果たしており、著作に『Composing for Voice(声のための作曲)』(Routledge、2018年)がある。
www.paulalanbarker.net