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KAC Performing Arts Program 2019 / Contemporary Dance 相模友士郎「エイリアンズ」

ジャンル
ダンス
カテゴリー
公演
開催日時
2019年11月29日(金)~2019年12月1日(日)
会場
京都芸術センター フリースペース
料金・その他
有料
事業区分
主催事業
KAC Performing Arts Program 2019 / Contemporary Dance 相模友士郎「エイリアンズ」
KAC Performing Arts Program 2019 / Contemporary Dance 相模友士郎「エイリアンズ」

エイリアンズとは何たちなのか―

KAC Performing Arts Programは、京都芸術センターの制作環境を活かし、舞台表現の最前線の試みを紹介するシリーズで、創作・発表へのさまざまな取り組みを通じて、その可能性に挑戦しています。本年度はGRANER(バルセロナ・スペイン)とのエクスチェンジレジデンシーを経て、バルセロナを拠点に活動する振付家・Manuel Rodoriguezと演出家・相模友士郎による新作を紹介します。

相模友士郎「エイリアンズ」

構成:相模友士郎、佐藤健大郎、白井剛
演出:相模友士郎
出演:佐藤健大郎、白井剛
ドラマトゥルク:山田咲

照明:高原文江 音響:西川文章 舞台監督:夏目雅也

※各回定員20名。特殊な形状の客席のためスタンディングでの鑑賞となります。上演時間約1時間。

日時
2019年11月29日 (金) – 2019年12月1日 (日)
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2019年11月29日(金) 19:00 *完売しました
30日(土) 15:00 *残席 1/19:00 *完売しました
12月1日(日)11:00 *完売しました/15:00 *残席わずか

※開場は開演の5分前(追加情報11/26)

会場
京都芸術センター フリースペース
演出ノート|エイリアンズとは何たちなのか
1|以前、『リアクション』という作品を上演した時、作品に向けて以下のようなテキストを書いた。

〈舞台という時間は観客が居ることが前提となっている。そこには観客に対して「お前はいま・ここに居るだろう」という観客それぞれの人格、能動性、受動性に関係なく「いま・ここ」という時間と空間に否応なく参加させられてしまうという暴力性が潜んでいる。(中略) 「いま・ここ」という時間を意識するということはそのような暴力性を意識することであるし、その暴力はわたしたちのそれぞれの持つ思想や個性を構成する固有の記憶をまったく無視して「いま・ここ」という時間において平等に行使される。〉

「いま・ここ」の問題を改めて考えてみようとした時、ダンスは演劇以上にこの問題に関して深刻であるように思える。

2|絵画、彫刻、映像、写真などそれぞれの表現メディアにはそれぞれの限界があり、その限界こそがそのメディア固有の表現にになり得る。ダンスの限界とはどこにあるのだろうか。

3|ある舞台を観た後、佐藤さんが「言葉って予言やと思った」と言っていた。白井さんからのメッセージに「踊っているときには時間に触っている感覚はあります。」とあった。

4|ダンスとは常に「いま・ここ」で起こっており、極めて具体的な表現メディアである。ダンスは「いま・ここ」から逃れることはできない。それは、いま・ここにあるこの体を持ってしまった私たちの不幸であり、意識と体がバラバラでありながら否応無くこの体に繋ぎ止められてしまっている不幸である。それが先に書いた「いま・ここ」の問題のダンスにおける深刻さである。ダンスが「いま・ここ」のメディアである以上、ダンスは未来を予言できないのだろうか。

5|何かを「思い出す」ということがある。過去に得た経験や記憶がいま・この場所にいながらこのわたしたちの内部に到来する。それによってこのわたしの体と意識の間にほつれが起こる。しかし「思い出す」という出来事は過去にのみ限定されるのだろうか。未来を「思い出す」ということはあまりにSF的すぎるだろうか。未来がわたしの内部に到来しこのわたしの体と意識の間にほつれを起こす。

6|「時間に触れる」というのは空間的に時間を考えることであり、そこには質量が存在する。

7|ダンスが「いま・ここ」で起こる具体的な現象であることは、わたしたちの固有性を無視して「いま・ここ」に巻き込んでしまうことを意味する。それは災害に近い。ダンスを踊ろうが見ようが、ダンスを経験する、ということは災害を経験することに近い。その理不尽な平等性。そして、わたしたちはそのような時間を生きている。

8|それでもダンスに触れようとするのは何故だろうと考えている。そう考えているいま・ここにあるこの体もどこかに行ってしまった。時間だけが質量を持って存在している。そうなる前にこの垂直性を少しでも傾けるために時間が欲しい。そうでなければいつの間にかこの私たちの体は本当にどこかに行ってしまう。あり得ただろう過去とあり得るだろう未来のはざまでダンスはそのように予告している。

(2019. 10. 11/相模友士郎)

相模友士郎(さがみ・ゆうじろう)

演出家。1982年福井生まれ。70歳以上の伊丹の高齢者たちと制作した『DRAMATHOLOGY/ドラマソロジー』(2019年)で鮮烈なデビューを果たし、その後も様々なコミュニティに入り込みながら、見るという身体的経験を問い直す上演を続ける。14年にダンサーの佐藤健大郎との共同制作による『ナビゲーションズ』を発表、各地で再演を重ねる。19年に植物による無人劇『LOVE SONGS』をCIRCULATION KYOTOにて発表。

佐藤健大郎(さとう・けんたろう)

ダンサー。近年はNora Chipaumire「父のような自画像」「祈り」出演。Christian Merlihot監督映画「Slow Life」に主演。相模友士郎との共同制作「ナビゲーションズ」、Luis Garay「不可能な場所」、akakilike「家族写真」、アンサンブル ゾネ「緑のテーブル2017」に出演。

白井剛(しらい・つよし)

モノや音や言葉や光、周囲のあらゆるものと共存し響き合う繊細かつ凶暴な身体性。完成と知性の滲みを揺れ動く独自の眼差し。バニョレ国際振付賞(2000年)、トヨタ・コレオグラフィー・アワード(2006年)など国内外の賞を受賞。映像/朗読/演奏/美術など作品ごとに様々な要素を取り込みながら国内外で製作・発表。音楽家・美術家・メディアアートなど他ジャンルとのコラボレーションや、ダンサー・パフォーマーとしての客演も企画される。

主催

京都芸術センター

共催

協力:GRANER
助成:平成31年度文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)

URL

https://www.kac.or.jp/

問合せ先

京都芸術センター
 TEL:075-213-1000
 FAX:075-213-1004
 E-mail:info@kac.or.jp

料金

一般前売2,500円/当日3,000円、高校生以下1,500円(前売・当日共)
※自由席

※各回定員20名
※特殊な形状の客席のためスタンディングでの鑑賞となります。
※上演約1時間。

チケット/申し込み

京都芸術センター
【当日清算】
 WEB:https://www.kac.or.jp/
TEL:075-213-1000
【前売券販売】
 窓口(10:00-20:00)