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入場無料

第9回 藝文京コンサート「ピアノの時間」古典調律と平均律の聴き比べ

ジャンル
音楽
カテゴリー
レクチャー/公演/音楽
開催日時
2025年11月30日(日)
会場
京都芸術センター 講堂
料金・その他
無料
事業区分
主催事業
第9回 藝文京コンサート「ピアノの時間」古典調律と平均律の聴き比べ

古典調律と平均律の聴き比べ ―公募によるコンサート

 (公財)京都市芸術文化協会では、気軽に音楽を楽しめる機会として、「藝文京コンサート『ピアノの時間』」を開催しています。
 第9回目となる今回は、ペトロフピアノとカワイピアノを使用し、平均律と古典調律(キルンベルガー第3調律)の聴き比べをお楽しみいただくコンサートです。
 現在世界中で使われている平均律と、バロック後期から古典派前期にかけて活躍した音楽家、キルンベルガー(1721-1783)の考案した調律。この異なる調律の聴き比べを通して、それぞれの音律の違いをぜひ体験してください。
 第1部は調律・修復師の山本宣夫先生によるレクチャー、第2部は公募で選ばれた皆様による演奏をお届けします。
 どなたも大歓迎です!ぜひ、「調律」に注目して演奏をお楽しみください。

ドレミはどのようにして生まれたのか?

 音律の始まりはピタゴラス(紀元前580年頃~紀元前500年頃)が考案したものであるといわれています。ピタゴラスの定理で有名なピタゴラスは、釈迦や孔子とほぼ同じ時代の人です。
 ある日、街を歩いている時にたまたま鍛冶屋の前を通りかかり、焼けた鉄の塊を槌で打つ音が、叩く位置によって音の高さが違うことに気づいたことが、ピタゴラス音律が生まれるきっかけになったといわれています。

 ヨーロッパにおける古典調律のうち、ルネッサンス時代までは、ピタゴラス音律や、アロンのミーントーンなど数限りなく存在し、それぞれ書かれた作品と深い関連性がありました。いわゆるミーントーンと呼ばれた音律では、ごく限られた調では非常に美しく透明に響く一方で、その他の調では、まったく使えないほど濁った不協和音になってしまうという特徴がありました。

 その後、このミーントーンを改良した音律がいくつか考案されました。そのうち現在よく知られているものには、ベルクマイスター、キルンベルガー、ジルバーマン、ラモーなどの音律がありますが、歴史的に最も古いものは、純正律を組み合わせたベルクマイスター音律で、全ての調がほどよく響き、しかも非常に明るいものや、固有の性格が生じてきます。

 現在の平均律は、隣り合う鍵盤の音の間隔を均等にすることで、どの調でも同じように演奏できるようにしたものです。
 今回、ベートーヴェンの音楽理論に大きな影響を与えたキルンベルガー(1721-1783)が考案した音律、キルンベルガー第Ⅲ法を採用することにより、平均律で調律されたピアノとは異なる響きと色彩を感じ取ることができるでしょう。
 今日の平均律で調律されたピアノ音楽と聴き比べることで、バッハ、ベートーヴェンをはじめとする大作曲家たちが頭に描いたハーモニーを実際に体験し、彼らの楽曲の性格や内容が、音律と深く結びついていることをよりよく理解する一助となればと思います。

(文:山本宣夫)

日時 2025年11月30日(日)14:00 開演 16:00 頃終演(予定)(13:30 開場)

会場 京都芸術センター 講堂

申込等 入場無料・申込不要(先着順)・入退場自由

内容 平均律と古典調律の聴き比べコンサート

 第1部 調律のお話(講師:山本宣夫)
 第2部 公募による演奏会(6人程度)

*出演者名及び曲目等は決まり次第、当ウェブサイトにて順次公開します。

*公募についての案内は、こちらからご確認いただけます。

基本情報

日時

2025年11月30日(日)

料金 無料
会場 京都芸術センター 講堂

プロフィール

山本 宣夫

山本 宣夫ピアノ調律・修復家

1948年大阪府堺市生まれ。1974年、ピアノ調律・修復家として独立。その後、ベーゼンドルファー社(オーストリア)での修行を経て、1989年から2019年までオーストリア国立ウィーン芸術史博物館古楽器部門で日本人初の客員フォルテピアノ修復家となった。1998年から、収集したフォルテピアノを「スペース クリストーフォリ堺」で公開するとともにコンサートやレクチャーに提供。1999年には、1726年製フォルテピアノの忠実な復元に成功し、「ユーロピアノ・コングレス2000」(イタリア)、国立ウィーン芸術史博物館等で展示およびコンサートが行われ、世界的な評価を受けた。大阪芸術大学音楽学部客員教授。2020年、第7回JASRAC音楽文化賞受賞。

クレジット

主催 京都市/公益財団法人京都市芸術文化協会

問合せ先

公益財団法人京都市芸術文化協会
〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 京都芸術センター内
TEL. 075-213-1003 /FAX. 075-213-1004