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第161回明倫茶会「未知と無垢-踊りのはじまり」

ジャンル
その他/生活文化(華道・茶道など)/複合
カテゴリー
トーク/茶会
開催日時
2025年9月30日(火)
会場
京都芸術センター 講堂、大広間
料金・その他
有料
事業区分
主催事業
第161回明倫茶会「未知と無垢-踊りのはじまり」
山内祥太≪舞姫≫ 2021 撮影:田山達之 提供:Terrada Art Award

京都芸術センター25周年記念事業

「明倫茶会」は、京都芸術センターが実施する特色ある事業のひとつです。各界で活躍される方々を席主に迎え、それぞれの趣向を凝らした設えでお客様をお迎えしています。お茶の種類や菓子、形式なども含め、席主とともに創意工夫を重ねながら、領域横断的で一期一会の場を生み出してきました。

今回は、京都芸術センター開設25周年を記念し、霊長類学者であり、公益財団法人京都市芸術文化協会(同センターの運営団体)理事長でもある山極壽一氏を席主にお迎えします。そしてゲストには、パフォーマンス・インスタレーション作品『舞姫』を手がけたアーティスト・山内祥太氏をお招きします。  

山極氏は長年、ゴリラたちと共に暮らす中で、彼らが言葉を用いず、身体を寄せ合いながら心を通わせる姿に、人間社会への問いを重ねてきました。たとえばゴリラは、ただ近くにいるだけでお互いに安心感を得られますが、人間は満員電車の中で他者と密接に接していても、不快や緊張を覚えることがあります。科学技術の発展が、人間の「身体を通じた交流」や「依存」のあり方にどのような影響を与えてきたのか——。そうした違和感が、山極氏の問題意識の出発点となっています。

一方、山内氏の作品『舞姫』では、 大型のLEDスクリーンに、毛のない人肌をまとったゴリラのような生き物が登場します。山内氏はこの姿に、現代人が集団生活の中で抱く自意識や承認欲求を、あえてさらけ出し誇示しようとする心の動きを反映していると語ります。センサー付きのラバースーツをまとったダンサーが踊ると、その動きに呼応して映像内のその“生き物”も同じ身振りをなぞります。その姿は、まるで愛する恋人同士が互いの身を寄せ合い、互いの距離感を感じ取っているかのようにも見えます。ラバースーツとピンクのネオンケーブルを媒介に、生身の身体とテクノロジーが交わろうとする、奇妙で魅惑的な情景が立ち上がります。

学術と芸術という異なる領域に身を置くふたりが、“ゴリラ”を想起させる存在や「踊り」を通して、身体とテクノロジー、そして人間の本質に触れながら共鳴する今回の茶会。山極氏によるレクチャーと山内氏のパフォーマンス・インスタレーションに加え、アフリカに由来する飲み物とお菓子を味わいながら、「身体・感覚・テクノロジー」の交差点に浮かび上がる——“未知と無垢の踊り”を体感してみませんか?

今回の茶会は2席を設けています。飲み物とお菓子はゴリラの実家であるアフリカのコーヒー豆か、アフリカのスパイスを使った「アフリカコーラ」のどちらかをお選びいただけます。お菓子は、アフリカのスパイスを使った焼き菓子を用意いたします。各回の定員は40人となります。

日時:2025年9月30日(火)

茶会の流れ
1席目 
18:00- 18:50 呈茶/インスタレーション・パフォーマンス「舞姫」
19:00-19:50 レクチャー「ゴリラに学ぶ人間の踊りの本質」

2席目 
19:00-19:50 レクチャー「ゴリラに学ぶ人間の踊りの本質」
20:00-20:50 呈茶/インスタレーション・パフォーマンス「舞姫」

※レクチャーは1席目の方、2席目の方、合同で実施します。

席主:山極壽一
映像・演出:山内祥太
パフォーマンス:小倉笑
飲物:コンゴ産のコーヒー/アフリカコーラ [奥 祐斉(bona.inc)]
菓子:アフリカのスパイスを使った焼き菓子[脇坂 千紘(puro)]

基本情報

日時

2025年9月30日(火)

定員 各席40名
料金 一般:2,000円
U25:1,000円
会場 京都芸術センター 講堂、大広間

プロフィール

山極 壽一(やまぎわ・じゅいち)

山極 壽一(やまぎわ・じゅいち)公益財団法人京都市芸術文化協会理事長/総合地球環境学研究所 所長

1952年東京都生まれ。京都大学理学部卒。京都大学総長(第26代)を務めたのち現職。人類進化論を専門とし、屋久島やアフリカでニホンザル・ゴリラの社会生態を研究。日本・国際霊長類学会会長、日本学術会議会長などを歴任。著書に『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』『共感革命』『森の声、ゴリラの目』ほか多数。2025年大阪・関西万博シニアアドバイザー。

山内 祥太(やまうちしょうた)

山内 祥太(やまうちしょうた)アーティスト

1992年生まれ。東京藝術大学映像研究科メディア映像専攻修了。自己と世界との関係性や、現実と空想の裂け目といったものをさまざまな方法で明らかにしようと試みてきた。映像、彫刻、VR、パフォーマンスなど表現メディアは多様で、身体性の生々しさや人間らしい感情と現代のテクノロジーを対峙させ、作品制作を行う。 主な展示歴に「MAMプロジェクト030×MAMデジタル:山内祥太」森美術館(東京/2022)「アルスエレクトロニカ・フェスティバル 2022」ヨハネスケプラー大学(リンツ、2022年主な上演作品に「匂いのモニュメント 忘れ去られたエロス」山口情報芸術センター[YCAM](山口/2024)など。

小倉笑(おぐらえみ)

小倉笑(おぐらえみ)

岐阜県大垣市出身。10歳から声楽とダンスを始める。2014年より京都で活動を開始。以降、Monochrome Circus、康本雅子、笠井叡、mama!milk等の舞台やコンサートに出演。自身でも作品創作を行っており、2021年に創作団体SMILEを立ち上げ、「SMILE」「A human dodging a fried oyster / 牡蠣フライを避ける人間」「SUPER COMPLEX」などの舞台作品を発表。ヨコハマダンスコレクション2022コンペティションⅠにて奨励賞を受賞。 Belle Santos(独)と共同で作品創作をするなど国内外で活動。2022年よりKYOTO Cultural Festivalを主催。2025年度より京都国際ダンスワークショップフェスティバルのプログラムディレクターに就任。ダンス、音楽、舞台作品創作、親子・青少年向けWS、イベント企画などジャンルに捉われず、様々な活動を展開中。

写真:tomcude

脇坂 千紘(puro)

出来る限り顔の見える材料を使用し、ストーリーを伝えることのできるお菓子を製造販売し喫茶もできる店舗を神戸で運営している。

奥 祐斉(bona.inc)

110の国と地域を回った旅人。イベントやツアー企画、プロダクト開発、場づくりなどを行う。スパイス輸入(タンザニア)や、アフリカや京都を旅先とした旅を提案している。アフリカ産のスパイスにこだわったアフリカコーラを日本国内で販売している。

クレジット

主催:京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)

アクセシビリティ

・アレルギーのある方は、事前にお問い合わせください。
・レクチャーは日本語で行います。
・レクチャー会場は和室です。お履き物を脱いでご入場いただきます。(椅子席のご用意もあります)
・参加に際し、介助やサポートが必要な方は、京都芸術センターまでお問い合わせください。

問合せ先

京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
Tel:075-213-1000(10:00-20:00)
Mail:info@kac.or.jp