京都芸術センター|KYOTO ART CENTER
 

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イベントスケジュール

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ニューミューテーション#5 倉敷安耶・西村涼「もののうつり」

ジャンル
  • 美術美術
形   態
  • 展覧会展覧会
事業区分
  • 主催主催
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※詳細はページ下部をご覧ください。

関西圏の若手作家を取り上げる「ニューミューテーション」の第5弾

アーティストたちの制作手法に着目し、その独自のミューテーション(突然変異)の表現を探ることを目的として2018年より始まったシリーズ企画「ニューミューテーション」。これまで京都芸術センターは本企画において、関西圏の芸術系大学を卒業 / 在籍し活動中の若手作家を数多く取り上げてきました。第5弾となる本展では「転写」という手法に着目し、滞在制作と展示を通して倉敷安耶と西村涼の2人を紹介します。
日時
滞在制作|2023年5月20日(土)- 6月23日(金)
※6月8日(木)臨時休館、オープンスタジオ以外に見学を希望される方はお問い合わせください。

展示会期|2023年6月24日(土)- 7月30日(日)10:00 – 20:00
※会期中無休、祇園祭宵山期間中は開館時間が短縮となる場合があります。
会場
京都芸術センター ギャラリー北・南
企画概要
本展で紹介する倉敷安耶と西村涼は、ともに「転写」という技法を用いて作品を制作するアーティストです。一般的に転写というと、イメージを綺麗に写し取ることや、正確な複製の手法として捉えられることが多いですが、しかし2人の制作手法はその真逆の特性を持ちます。倉敷と西村の「転写」はむしろ、物理的なものから観念的なものまで、あらゆる外的要因が制作の過程で非可逆に作品へと引き受けられ、転写される元のイメージと混在していく「うつし」の技法なのです。

倉敷はこれまで「メディウム転写」や「シンナー転写」を用いて作品を制作してきました。紙に印刷したイメージを、アクリル樹脂系のメディウムやシンナー溶剤によって支持体へと写し取り、乾燥させた後、表層の紙を水で濡らして刮いでいくという手法です。彼女は絵画作品などを制作する際の下絵のために用いられるこれらの手法そのものに着目し、使用するメディウムや支持体となる布地や鏡といった素材のスタディを繰り返しながら、独自の表現を探求してきました。紙に印刷されていたインクだけが残り、布のテンションによって引き裂かれながら定着することで生まれる作品には、コラージュされた文脈や物語が、複雑なテクスチャの中に浮かび上がります。

一方で西村は、針で金属版やプラスチック板を直接彫る「ドライポイント」という版画技法や、凹凸のあるものの上に紙を置き、鉛筆やパステルなどの描画材で擦るように描く「フロッタージュ」という技法を基に、彫られた凹凸が生み出す有機的な表情に着目し作品を制作してきました。彼はこれらの洗練された版画技法に加え、紙に刷るのではなく、版にインクを詰めてから木枠で囲い、石膏を流し固めて転写する「石膏刷り」の技法を取り入れることで、プレス機のサイズに規定されない版画の可能性も探っています。流動的なインクと石膏が溶け合いながら、ある瞬間で時が止まったようにもみえる作品には、幾重にも観測された現象が、独特のマチエールの中にあらわれます。

本企画では、京都芸術センターの展示空間内における滞在制作と展示を通して、アーティストがそれぞれ独自に培ってきたこのような「うつし」の技法を取り上げ、その表現を/が可能にしているものへと目を向けます。
滞在制作|関連イベント
■ アーティスト・トーク
出展作家の倉敷安耶と西村涼が、滞在制作にむけてお話します。
日 時|5月20日(土)15:00 - 16:00
会 場|京都芸術センター ギャラリー南
料 金|入場無料(事前申込不要)

■ オープンスタジオ
滞在制作中のギャラリーの様子をご覧いただけます。
日 時|5月27日(土)、6月3日(土)、10日(土)、17日(土)10:00-20:00
会 場|京都芸術センター ギャラリー北・南
料 金|入場無料(事前申込不要)

■ 倉敷安耶ワークショップ「秩序を保つ」
滞在制作中の倉敷とかつて調理室だったギャラリー北で簡易的な調理をし、食事会を開きます。
日 時|5月27日(土)、6月10日(土)12:00 - 15:00
会 場|京都芸術センター ギャラリー北
料 金|2,000円 ※要事前予約
定 員|5名

⇒ ご予約はこちら

■ 西村涼ワークショップ「わだちをなぞる」
西村と一緒に館内を巡りながら版を彫り、かつて工作室だったギャラリー南で版画を制作します。
日 時|6月3日(土)、17日(土)13:00 - 16:00
会 場|京都芸術センター ギャラリー南
料 金|2,000円 ※要事前予約
定 員|5名

⇒ ご予約はこちら

■ オープニング・パーティー
日 時|6月23日(金)18:00 - 20:00
会 場|京都芸術センター ギャラリー北
料 金|500円 ※要事前予約

⇒ ご予約はこちら
展覧会|関連イベント
■ オープニング・ツアー
出展作家の倉敷、西村と一緒に各会場を巡ります。
日 時|6月24日(土) 11:00 - 12:00
会 場|京都芸術センター ギャラリー北・南
料 金|入場無料(事前申込不要)

■ ギャラリーツアー
京都芸術センターのスタッフと一緒に各会場を巡ります。
日 時|7月4日(火)、22日(土) 15:00 - 16:00
会 場|京都芸術センター ギャラリー北・南
料 金|入場無料(事前申込不要)

■ クロージング・トーク
ゲストに中井康之氏を迎え、倉敷と西村が作品についてお話します。
登 壇|倉敷安耶、西村涼(本展出展アーティスト)
ゲスト|中井康之(国立国際美術館研究員、京都芸術大学大学院客員教授)
日 時|7月30日(日)15:00 - 16:00
会 場|京都芸術センター フリースペース
料 金|入場無料 ※要事前予約

⇒ ご予約はこちら
プレスリリース
プレスリリース(2023/5/2)
アクセス
京都芸術センター
〒604-8156 京都府京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
・地下鉄烏丸線「四条駅」、阪急京都線「烏丸駅」22・24 番出口より徒歩5分
・京都市バス「四条烏丸駅」下車、徒歩5分(3、5、201、203、207 系統など)
※駐車場はございません、お車でのご来場はご遠慮ください。

Googleマップ

倉敷安耶 KURASHIKI Aya

1993年兵庫県生まれ。2018年京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)大学院芸術研究科油画専政修了。2020年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。現在、東京を拠点に活動中。主な個展に「そこに詩はない。それは詩ではない。」(myheirloom/東京/2021)、「浅はかなリ、リアルの中でしぜんにかえる」(和田画廊/東京/2022)、主なグループ展に「(((((,」(駒込倉庫/東京/2022)、「Idemitsu Art Award(旧シェル賞)アーティスト・セレクション」(国立新美術館/東京/2022)など。

作家ウェブサイト

西村涼 NISHIMURA Ryo

1993年京都府生まれ。2016年京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コース卒業。2018年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画修了。現在、京都を拠点に活動中。主な個展に「Elements」(PETER AUGUSTUS/ダラス/2022)、「わだちをなぞる」(アートゾーン神楽岡/京都/2022)、主なグループ展に「ON PAPER」(TAKU SOMETANI GALLERY/東京/2023)、「第3回PATinKyoto京都版画トリエンナーレ2022」(京都市京セラ美術館/京都/2022)など。

作家Instagram
取り扱いギャラリー

ニューミューテーション

展覧会シリーズ企画「ニューミューテーション」は、制作におけるアーティストの「ややこしい」手法に着目し、その独自のミューテーション(突然変異)の源を探ることを目的に2018年より始まりました。

過去の展覧会企画

2018年 「ニューミューテーション -変・進・深化」
2019年 「ニューミューテーション #2『世界のうつし』」
2020年 「ニューミューテーション#3 菊池和晃・黒川岳・柳瀬安里」
2021年 「ニューミューテーション#4 小嶋晶・小林椋」

主催

京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)

問合せ先

京都芸術センター
TEL:075-213-1000
FAX:075-213-1004
E-mai:info@kac.or.jp

WEB予約

助成

公益財団法人野村財団

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