京都芸術センター|KYOTO ART CENTER
 

EVENT ARCHIVE

イベントアーカイブ

和田ながら『わたしたちのフリーハンドなアトラス』公開レクチャー

ジャンル
  • その他
形   態
  • レクチャー
事業区分
  • 主催

Co-program2019カテゴリーC(共同実験)採択企画。和田ながらと共同で行う地図のリサーチプロジェクト。リサーチ開始にあたり、公開レクチャーを行います!!

Co-prpgramカテゴリーCとは、アーティストと京都芸術センターが共同で行うリサーチプロジェクト。本年度は、その一つとして、演出家・和田ながら(したため)とともに、リサーチプロジェクト『わたしたちのフリーハンドなアトラス』を開催します。

昨年こまばアゴラ演出家コンクールにて観客賞を受賞するなど活躍の場を広げている和田ながら。和田は、本リサーチにおいて、地図に着目し、半年間かけてリサーチメンバーとともに、ディスカッションや公開企画などを実施。それを通して、わたしたちが自由になるために必要なアトラス(地図帳)の形を模索します。詳細はこちらをご覧ください。

開始にあたって、「地上学」を提唱する石川初氏を招き、和田へむけたレクチャーを公開します。

リサーチメンバーとして参加を希望される方のみならず、地図に興味のある方、創作活動に興味のある方は、ぜひレクチャーにご参加ください。
日時
2019年7月6日 (土)
14:00~16:00
会場
京都芸術センター ミーティングルーム2
プロジェクトについて
たとえば教室に貼られていた日本列島中心の世界地図、まっすぐな線で駅を結んでいく電車の路線図、街を歩きながら 起動するスマートフォンの地図アプリは、わたしの日々にとって、素直なスタンダードだった。素直な、というのはつまり、 ほとんど用心していないということだ。
でも、路線図であらわされている通りに正円を描いてぐるぐる回っているものだとイメージしていた山手線は、実際に は南北に細長い。
そんなことは別にどうでもいいことだ、と思う。山手線がきれいな丸だと勘違いしていたからって大変だったエピソー ドなんてこれまでないしさ、と思う。でも仮に山手線で困らされなかったとしてもだよ、と立ち止まる。どこかの知ら ない誰かから与えられた地図に従順なまま世界を知っているつもりになっていて、いいんだろうか。地図アプリが最短 距離の表現として振り付けてくる右折と左折の連続を、本当はたいして急いでないくせにまじめにこなしたその果てに、 わたしたちは迷子になることを忘れて、いますでにある地図の上しか歩けなくなってしまう。地図に描かれたさまざま な境界線の政治に鈍感になって、その線の通りに内と外をはっきり分けられるかように錯覚しはじめるかもしれない。

わたしは演劇の演出をしている。戯曲や小説や俳句などを上演のテキストとして扱うことと並行して、日常生活の記憶 や写真といった、必ずしも文字によって記されていないものもテキストとして読みこみ、作品をつくってきた。自分にとっ てのテキストの領域を拡張していきたい、とつねづね考えていたので、はじめは、地図をテキストにできたらおもしろ いんじゃないか、ぐらいの思いつきだった。でも、地図について考えていけばいくほど、ただ自分の上演のため、とい う枠におさめるにはあまりにアブないモチーフだということがわかってきた。これはきっと、たくさんの人のアタマと カラダを巻き込んでしまわないといけない。だって、地図に潜在する政治に耳をそばだて、地図に振り付けられた身体 をほどき、世界を測りなおして、新しく自由になるための地図をつくりたい、なんて欲望は、ひとりでは手に負えない わけで。しかも、誰かと一緒なのだったら、そのみんなと一緒に地図帳を編みたい、なんて思ってしまったのです。そう、 願わくば、その地図に触れる誰かの身体が軽やかに踊ってしまうような、フリーハンドなアトラスを。 一緒に、やりませんか。
                             和田ながら

和田ながら

京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。太田省吾、ジョルジュ・ペレック、多和田葉子など、言語の可能性を追求するさまざまな作家のテクストや、日々の記憶を主なモチーフに、日常的な視力では見逃し続けてしまう厖大な細部を言葉と身体で接写する、あるいはとらえそこないつまづくさまを連ねるように演劇作品を制作する。美術家や写真家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞。2018年、こまばアゴラ演出家コンクール一次審査および二次審査においていずれも観客賞を受賞。
http://shitatame.blogspot.com/

石川初

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科/環境情報学部教授。
1964年京都生まれ。東京農業大学農学部造園学科卒業。鹿島建設建築設計本部、アメリカHOKプランニンググループ、株式会社ランドスケープデザインを経て2015年4月より現職。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにて、外部環境のデザインや地図の表現などの研究・教育を行っている。GPSの軌跡を使って地図上に地上絵を描く「地上絵師」としても知られている。
著書に「思考としてのランドスケープ 地上学への誘い」(LIXIL出版、2018年)「ランドスケール・ブック」(LIXIL出版、2012年)「今和次郎『日本の民家』再訪」(瀝青会として共著、平凡社、2012年)。日本建築学会著作賞、日本生活学会今和次郎賞など。2018年度、東京農業より「ランドスケープから“地上学”へ ‐ 場への新たな概念形成とランドスケープの裾野を広げる多面的展開」の功績として造園大賞を受賞。登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。早稲田大学創造理工学部建築学科、東京大学大学院新領域創成科学研究科非常勤講師。日本生活学会理事、調布市景観審議会専門委員。東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。

主催

和田ながら、京都芸術センター

問合せ先

TEL:075-213-1000
E-mail:info@kac.or.jp

料金

無料

一覧へ戻る