京都芸術センター|KYOTO ART CENTER
 

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NEW INCUBATION 7 『パラレルワールド または私は如何にして世界を愛するようになったか』

ジャンル
  • 美術
  • その他
形   態
  • 展覧会
事業区分
  • 主催

EUGENE KANGAWA × PIERRE JEAN GILOUX
反転しながら接続されるパラレルワールド

これまでコンタクト・ゴンゾとステラーク,堀尾貞治と冬木遼太郎など,若手作家とベテラン作家が出会うことで,現代美術が抱えている問題や,アートが社会に対してできることを模索してきたNEW INCUBATION.本展は,出展するアーティストにとっても,鑑賞者にとっても,刺激に富んだ挑戦の場となることを目指しています.第7回を迎える今回は、『パラレルワールド または私は如何にして世界を愛するようになったか』と題し、近年目覚ましい活躍を見せる作家EUGENE KANGAWAと、日本での活動を広げつつある映像作家PIERRE JEAN GILOUXを招きます。

KANGAWAとGILOUXは,個人の内面ではなく外的事象を制作の出発点とし,異なる領域との協業や,アートと社会のあいだの境界を越えた活動に積極的に関与してきました.しかし,対象へのコミットメントの態度,アーティストとしての主体性のあり方は対照的です.冷静なまなざしで世界を捉え,脚本あるいは設定のみをつくりだすような「最小限の介入」によって,純度の高い作品を結実させるKANGAWA.自らのつくりだすCGの虚構に幻惑されているかのようにイメージに対して「最大限の介入」を行い,想像力とユーモアにあふれたヴィジョンをつくりだすGILOUX.今回はそれぞれの視点から現代の風景を描き出した映像作品を展示します.

両者の映像作品からは,それぞれがどのように世界を見て,どのように理解し,どのように再構成したのかが浮かび上がってきます.自然風景が現実以上の強度で切り取られ,秩序正しく作り込まれたKANGAWAの映像は,むしろフィクションに接近していっているように見えます.その一方で,GILOUXがデジタル画像処理によって再構築した虚構の都市は,生物のように有機的に変容していく現実の都市の姿を神秘的に表現しています.それぞれの手法で制作された作品は互いに鋭いコントラストを成しながらも,創作と実写が反転しながら接続される関係にあるように思えます.また,いずれの映像もどこか予兆的で,現代の世界に対するカウンターイメージとしても機能しています.

KANGAWAとGILOUXの作品に垣間見える二人の世界観のパラレルな関係,本展の関連企画としてパラレルに開催される期間限定の”特別な”インスタレーション,そして,両作家の目を通して見る世界と私たちが体験する世界の並行関係.本展では,異なるレベルの「パラレルワールド」が重層的に繰り広げられます.

KANGAWAは,Terry Rileyとの協働を行うほか,アートの領域を拡張するその試みが海外からも注目を集めています.また,ヴィラ九条山で滞在制作中のGILOUXは,そのユニークな作風から世界各国で高い評価を得ています.二人のハイクオリティーな映像作品をこの機会にどうぞご覧ください.
日時
2015年9月9日 (水) - 2015年10月18日 (日)
10:00~20:00
※10月3日(土)は,ニュイ・ブランシュKYOTO2015のため22:00まで延長開廊
会場
京都芸術センター ギャラリー北・南
パラレルイベント/ニュイ・ブランシュKYOTO2015関連企画
※http://www.kac.or.jp/events/16962/もご覧ください

1. EUGENE KANGAWA
《SANSUI》 Special Installation
今回のインスタレーションでは,厳冬期の東北の山岳地帯を美しく描いたモノクロの映像作品《SANSUI》が水を張り巡らせた大空間にて映し出され,水の上を歩いて鑑賞することができます. すでに消滅したとされる幻の山岳宗教の修験場で繰り広げられる,豪雪地の北の難峰 “太陽の山と月の山”,鳥海山と月山,その間で昼夜めまぐるしく循環する自然――雪の山,滝や川などの水系,森,平地――などを,身体的な体験を通して見ることができます. 苦行とも言える経験を超えて得られた審美的な映像を, 本インスタレーションにてぜひご体験ください.
日時:10月3日(土)18:00-22:00,4日(日)10:00-13:00/18:00-22:00,5日(月)10:00-17:00
会場:フリースペース

2. PIERRE JEAN GILOUX
a. Film Screening
4つの短編映像シリーズ"Commercial Fragmentations"より,《Welcome Diams island》と 《Ups and Downs》を京都国際マンガミュージアムの壁面で上映します.
日時:10月3日(土)夕刻 
会場:京都国際マンガミュージアム(中京区)
b. 《Invisible Cities #2# Japan Principle》 Special Installation
都市が生物のように再生する「変態」(メタモルフォーシス)を日本文化の中心概念としてジルーは捉えています。彼は,この「変態」の原理を「Japan Principle」と名付け, 日本の「まちづくり」に焦点を当てた新作を発表します。飛行船のような伊東豊雄の「風の卵」が、東京―横浜間の建築物を発見する旅へと鑑賞者をいざないます。障子を彷彿させる建物のファサード、「開かれてゆく」空間と光の反射によって、インテリア(内面)とエクステリア(外面)が相互に不可分になっていきます。
日時:10月3日(土)-9日(金)10:00-20:00
※10月3日(土)は,ニュイ・ブランシュKYOTO2015のため22:00まで延長開廊
会場:和室「明倫」

Eugene Kangawa(カンガワ ユウジン)

1989 年,アメリカ生まれの現代アーティスト/映像作家.デザインを専攻後,リサーチをベースに,スクリプトや設定に重点を置いたフィルム,インスタレーションなどを手がけ,特に実写映像やファウンド・フッテージを用いた美しくもミニマルな表現は高い評価を受け,2013 年にはサーペンタインギャラリー(ロンドン)のプロジェクトに参加.また,2011 年より手がけた二つの作品 《from the future》(2011 -) と《After the War》(2011-) が,世界的な音楽家であるTerry Rileyの共感を呼び協業を行う(2014,東京).また同時にKANGAWAは,都市計画や特許研究,人工知能や教育の研究などに携わるなど,そのダイナミックな活動が新たなアーティストとして世界的な注目を集めている.これらの活動はすべて,アーティストにとっては映像作品と並列のコンセプチュアルな作品であり,KANGAWAを擁するON(株式会社オブジェクト・オブ・ヌル)も,彼の活動を最大化する組織として様々な領域から評価を受けている.
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http://eugene-kangawa.com/ 
http://supervision-project.com/ 

Pierre Jean Giloux(ピエール=ジャン・ジルー)

アーティスト・映画監督のピエール=ジャン・ジルーはリヨン国立美術学院で学んだ後,チェルトナム美術大学(イギリス)とマルセイユ=リュミニー美術学院で学ぶ.当初は写真作品を中心に制作していたが,現在では映像作品を主に制作している.ピエール=ジャンの作品は,新しいテクノロジーに関するリサーチの結果として発表される.特に,写真,映像,CG の間の関連性や混成形に関心があり,美術や建築の文脈を参照しながら,ポップ・カルチャーやマスメディアの情報をつなぎ合わせた独自の言語をつくりだす.なかでも,5 つの短編映像により構成されるシリーズ“Commercial Fragmentations”(2009 年)は高く評価されている.最近では,“BEYOND THE SOUND” 展(2015年,香港),“Wabi Sabi Shima” 展(2015 年,ブリュッセル)に出品.日本では,『黄金町バザール2013』(2013 年,横浜),『No Man’ s Land』展(2010 年,東京)に参加.インスタレーションや映像作品をポンピドゥー・センター(パリ),MAC/VAL(ヴィトリー=シュル=セーヌ,フランス),バス・ノルマンディー地方現代アートセンター(カーン,フランス),イヴリー現代アートセンター[CREDAC](イヴリー=シュル=セーヌ,フランス)ほか,様々な国際的アートフェスティバルで発表している.
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http://pierrejeangiloux.com/
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A film by Pierre-Jean Giloux: A Solang Production Paris Brussels, co-production S.O.I.L., Brussels
with the support of: CNC dicream, Arts Numériques CFWB, S.O.I.L., VAF.
2015年ヴィラ九条山レジデント

主催

京都芸術センター

URL

ニュイ・ブランシュ KYOTO 2015 公式サイト
http://www.nuitblanche.jp/

問合せ先

京都芸術センター
TEL:075-213-1000
FAX:075-213-1004
E-mail:info@kac.or.jp

料金

無料

協力

アンスティチュ・フランセ関西,ヴィラ九条山

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